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箪笥の中の着物を一通り羽織ってみたが、やわらか系のものや、ふんわりとした柄は案の定似合わなかった。着物自体、正直まだ似合っているとは思えないけど、その中でもこの手の着物は確信的に「これは違う」とわかる。
結局、着物を3枚と名古屋帯を2枚もらうことにした。着物はシンプルでちょっと野暮ったい感じが気に入り、帯は自分でも締められる名古屋帯を選んだ。母が自分で縫った着物は、あくまで和裁練習用らしく、キレイなままなのは嬉しいが、そのためか着物の数に対して帯の数が少ない。よく「着物1枚に帯3本」なんてことを言うけど、ここでは完全に逆だった。
今の私よりもずっと若かった頃の母が縫った着物を、娘の私が着るというのは、嬉しさと同時に不思議な感じもする。お店などで手にするときにも、時代や時間を超えた巡り合わせを感じるが、こうして親から譲り受けることには、それとはまた違った特別な思いがして、よりいっそう大切に思う気持ちになる。
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